名称
admin ― SCCS ファイルの作成と管理
構文
admin -i[name] [-n] [-b]
[-a login] ... [-d flag\c [flag-val]] ... [-f flag\c [flag-val]] ...
[-m mrlist] ... [-r rel] [-t\c [name]] [-y\c [comment]] file ...
admin -n [-a login] ... [-d flag\c [flag-val]] ... [-f flag\c [flag-val]] ... [-m mrlist] ...
[-t\c [name]] [-y\c [comment]] file ...
admin [-a login] ... [-e login] ... [-d flag\c [flag-val]] ... [-m mrlist] ...
[-r rel] [-t\c [name]] file ...
admin -h file ...
admin -z file ...
説明
admin コマンドは新しい SCCS ファイルの作成と既存ファイルのパラメーターの変更に使用します。admin への引き数は任意の順序で指定することができ
(- がない場合は、- の後ろの引き数はすべてファイルとして扱われることになります) - で始まるオプション引き数と、指定した file で構成します(SCCS ファイル名は文字 s. で始めなければなりません)。
指定された file は存在しなければ作成され、 パラメーターは指定オプションの引き数に従って初期化されます。
オプション引き数によって初期化されなかったパラメーターには、 デフォルト値が割り当てられます。
指定された file が存在すれば、指定したオプション引き数に対応するパラメーターが変更され、
他のパラメーターは変更されないままです。
file の代わりに directory を指定すると、admin は directory の file ごとに動作しますが、非 SCCS ファイル(パス名の最後の構成部分が s. で始まらないもの)および読み取り不可能なファイルは表示を
されずに無視されます。 ファイル名の代わりに - を指定すると、標準入力が読み込まれ、標準入力の各行は
SCCS ファイルのように処理されます。 上記と同様に、非 SCCS ファイルおよび読み取り不可能なファイルは表示されずに無視されます。
admin オプション引き数は、単一または複数を問わず、指定した file すべてに独立して適用されます。 以下では、ファイルが単一でも複数でもまったく同一の影響を受けますが、
ファイルが 1つだけ指定されたものとして、各オプションについて説明します。
オプション
admin コマンドは次のオプションとコマンド行引き数をサポートします。
- -n
このオプションは、新しい SCCS ファイルが作成されることを示します。
- -i[name]
新しい SCCS ファイルの内容が取り出されるファイルの name (name がバイナリファイルの場合は、 -b オプションを指定する必要があります)。
この内容が ファイルの最初のデルタになります(デルタ番号付けスキームについては、-r オプションを参照)。-i オプションを使用しファイル名を省略した場合、テキストは、EOF
に達するまで標準入力を読み込みます。このオプションを省略すると、SCCS
ファイルは空の初期デルタで作成されます。-i オプションを与えた admin コマンドにより、SCCS
ファイルを 1つだけ作成できます。1回の admin の使用で2つ以上の
SCCS ファイルを作成するには、空 (-i オプションなし)で作成する必要があります。-i オプションは、暗黙のうちに -n オプションを指定したことと同じになる点に注意してください。
- -b
-i オプションに指定された name
の内容をエンコードします。 このキー文字は、name がバイナリファイルの場合には、
必ず使用しなければなりません。 使用しないと、SCCS コマンドはバイナリファイルを正しく処理できません。
- -r rel
初期デルタが挿入されるファイルの release (rel)。このオプションは、-i オプションも使用した場合に限って使用できます。-r オプションを使用しなければ、初期デルタはリリース1に挿入されます。 初期デルタのレベルは常に
1です(デフォルトでは初期デルタは1.1に指定されます)。
- -t[name]
SCCS ファイルの説明文が引き出されるファイルの name 。-t オプションを使用し、admin が新しい
SCCS ファイルを作成している (-n および -i 、またはそのいずれかのオプションも使用している)場合には、
記述テキストファイル名を与えなければなりません。SCCS ファイルが存在する場合、
-t オプションにファイル名がないと、SCCS
ファイルに現在ある記述テキスト(もしあれば)が削除されます。また、
-t オプションにファイル名があると、指定ファイルのテキスト(もしあれば)が
SCCS ファイルに現在ある記述テキスト(もしあれば)と入れ替わります。
- -f flag
このオプションは、SCCS ファイルに入れる flag ともしくは flag の値を指定します。 複数の -f オプションを一行の admin コマンド行に対して指定することができます。
使用可能な flag とその値は次の通りです。
- b
get コマンドで -b オプションを使用して分岐デルタを作成できるようにします
(get(1)参照)。
- cceil
get コマンドによってエディットするために読み出すことが
できる最高のリリース番号(つまり、 上限)で9999以下の数字。 未指定の c フラグのデフォルト値は9999です。
- ffloor
get コマンドによってエディットするために読み出すことが
できる最低のリリース(つまり、 下限)で1以上9999未満の数字。 未指定の f フラグのデフォルト値は1です。
- dSID
get コマンドで使用するデフォルトデルタ数 SID ( get(1)を参照)。
- istr
次のメッセージ、
は、get または delta によって発行され、致命的なエラーとして処理されます
(delta(1) を参照)。 このフラグがないときは、メッセージは警告のみです。SCCS
識別キーワード (get(1) を参照)
が、SCCS ファイルから読み出されるか、 保存されたテキストに見つからなければ、このメッセージが発行されます。
値が与えられると、キーワードは、 与えられた文字列に正確に一致しなければなりません。
ただし、この文字列には、1つのキーワードを含み、 改行は含めてはなりません。
- j
同じ SID のある SCCS ファイル上で編集するために同時に複数の get コマンドを使用可能にします。 これにより、SCCS
ファイルの同一バージョンに対する複数の並列更新を可能にします。
1人のユーザーだけが並行編集を行うことができます。 複数のユーザーによるアクセスは通常、共通のログインまたはset
user ID プログラムを使って行われます (chmod(1) および exec(2) を参照)。
- llist
デルタ をそれ以上作成できなくなった(これらのロックされたリリースのいずれかに
対して get -e を使用すると失敗します)リリースの list には次の構文があります。
list ::= range \c
| list , range
range ::= RELEASE NUMBER | a
list における文字 a は、 指定された
SCCS ファイルに対して all releases を指定することと同じです。 任意のリストを省略することは、a と同じです。
- n
delta が new リリース内で 作成されるとスキップされる(もしあれば)各リリースで(デルタ2.7、
リリース3、 およびリリース4がスキップされた後でデルタ5.1を作成するときなど)
空デルタを作成します。 スキップしたリリースから分岐デルタを後で作成できるように、
これらの空デルタは アンカーポイント として機能します。このフラグがないと、スキップされたリリースは、SCCS
ファイルで存在しないことになり、 その後それらのリリースから分岐デルタが作成されなくなります。
- qtext
get によって読み出される SCCS
ファイルテキスト内の全ての %Q% キーワードを置換するユーザー定義可能なテキスト
- mmod
get によって読み出される SCCS
ファイルテキスト内の全ての %M% キーワードを置換する
SCCS ファイルの module 名。m フラグを指定しなければ、割り当てられる値は、先行する s. を削除した SCCS
ファイルの名前になります。
- ttype
get によって読み出される SCCS
ファイルテキスト内の全ての %Y% キーワードを置換する
SCCS ファイルにおけるモジュールの type
- v[pgm]
delta は、デルタを作成するために変更要求 (MR) 番号を促します。オプションの値は、 (MR) 番号妥当性チェックプログラムの名前を指定します (delta(1) を参照)。 (SCCS ファイルを作成する際にこのフラグがセットされていると、値が
空であっても、m オプションも使用しなければなりません)。
- x
get に、実行パーミッションでファイルを作成させます。
- -d flag
SCCS ファイルから指定された flag を削除します。-d オプションは、既存の
SCCS ファイルを処理する場合に限って指定できます。1つの admin コマンドに対して複数の -d オプションを指定することができます。使用可能な flag 名については、-f オプションを参照してください。
- llist
ロックを解除するリリースの list 。l フラグおよび list の構文の説明については、-f オプションを参照してください。
- -a login
SCCS ファイルにデルタ作成(変更)を行うことが できるユーザーのリストに追加する login 名、または HP-UX グループ ID 番号。グループ ID は、そのグループ
ID に共通した login 名をすべて指定することと同じです。 一行の admin コマンド行で複数の a オプションを使用できます。希望数の login またはグループ ID 番号を同時にリスト上に入れられます。
ユーザーのリストが空ならば、どのユーザーでもデルタを追加できます。! が付いている login またはグループ ID は、デルタを作成するパーミッションを拒否します。
- -e login
SCCS ファイルへのデルタ作成(変更)が 許可されるユーザーのリストから削除する login 名またはグループ ID 番号のグループ ID を指定することは、そのグループ
ID に共通した login 名をすべて指定することと同じです。 一行の admin コマンド行で複数の e オプションを使用できます。
- -y[comment]
comment テキストは、delta(1) のテキストと同じ方法で、初期デルタのコメントとして
SCCS ファイルに挿入されます。-y オプションを省略すると、デフォルトのコメント行が次の形式で挿入されます。
date and time created YY/MM/DD/\c HH/MM/SS by login
-i および -n 、またはそのいずれかのオプションが指定されている(つまり、新しい
SCCS ファイルが作成されている)場合に限り、-y オプションは有効です。
- -m[mrlist]
変更要求 (MR) 番号のリストは、delta(1) と同じ方法で初期デルタを作成するために
SCCS ファイルに挿入されます。v フラグを必ずセットする必要があります。また、v フラグに値
(MR) 番号妥当性チェックプログラムの名前)がある場合、 (MR) 番号の妥当性がチェックされます。v フラグがセットされていない場合、 (MR) の妥当性チェックが成立しない場合は、 診断メッセージが出されます。
- -h
admin は、SCCS ファイルの構造をチェックし
(sccsfile(4) を参照)、 新しく計算されたチェックサム
(SCCS ファイルの先頭行以外のすべての文字の合計)と SCCS ファイルの先頭行に格納されたチェックサムとを比較します。
適切なエラー診断が生成されます。
このオプションにより、ファイルへの書き込みが抑制されるため、
与えられたその他すべてのオプションのも取り消されます。 したがって、このオプションの効果があるのは、
既存のファイルを処理する場合に限ります。
- -z
SCCS ファイルのチェックサムは再計算され、SCCS ファイルの先頭行に格納されます(上記の -h を参照)。
完全に破壊されたファイルにこのオプションを使用すると、 将来破壊が検出できなくなることがあるので注意してください。
アクセス制御リスト
(ACL)
オプションの ACL エントリーを SCCS ファイルに追加しないでください。SCCS
により、 それらは削除され、誤って予期しないアクセスモードになる可能性があります。
多言語化対応
環境変数
LC_CTYPE により、テキストをシングルバイト、
および/またはマルチバイトの文字で解釈するかを決定します。
LC_MESSAGES により、メッセージの表示する言語を決定します。
現在使用している環境において、LC_CTYPE や LC_MESSAGES が指定されていない場合、または、LC_CTYPE や LC_MESSAGES に空の文字列が設定されている場合、LANG の値がその変数のデフォルトとして用いられます。LANG が指定されていなかったり、空の文字列の場合、デフォルトの C( lang(5) を参照) が LANG の値として使われます。
インターナショナル変数のいずれかの設定が不適当な場合には、admin はすべてのインターナショナル変数が
"C" に設定されているものとして動作します。environ(5) を参照してください。
サポートされる国際的コードセット
シングルバイトおよびマルチバイトの文字コードセットがサポートされます。
警告
SCCS ファイルの行数は 99,999行を超えることはできません。 各行の長さの制限は
(改行コードを含めて)、非 XPG4 環境では BUFSIZ-3
バイト、XPG4 環境では LINE_MAX-3 バイトです。
ファイル
すべての SCCS ファイル名の最後の構成部分は、 s.filename 形式でなければなりません。新しい SCCS には、モード444が指定されます
(chmod(1) を参照)。 ファイルを作成するには、
関連ディレクトリ内での書き込みパーミッションが必要となります。admin によって行われる書き込みはすべて、 x.file-name というテンポラリx-fileに対して行われます。admin コマンドが新しい
SCCS ファイルを作成している場合にはモード444で、SCCS ファイルがすでに存在する場合にはそれと同じモードで作成されます
( get(1) を参照)。admin が正常に実行されると、SCCS
ファイルが存在していれば、それが削除され、x-fileは、SCCS ファイルの名前に変更します。
これにより、エラーが発生しない限り、変更が SCCS ファイルに行われるようになります。
SCCS ファイルが含まれるディレクトリをモード755にし、SCCS ファイル自体をモード444にするようお勧めします。
指定したディレクトリのモードにより、その所有者だけがディレクトリ内の
SCCS ファイルを変更できます。SCCS ファイルのモードにより、SCCS コマンドによる場合を除いてどんな変更も禁止されます。
何らかの理由のために SCCS ファイルをパッチする必要がある場合には、
所有者がモードを644に変更できるため、vi などの他の適当なエディターも使うことができます。注意して行って下さい。 編集するファイルは、常に admin -h によって破壊がないかどうかチェックし、次に admin
-z によって適切なチェックサムを生成しなければなりません。SCCS
ファイルが確実に有効になるようにするには、もう1つの admin
-h をお勧めします。
admin はまた、 z.file-name という一時的なロックファイルも使用し、これは異なるユーザーが
SCCS ファイルを同時にアップデートするのを防止します。 詳細は、get(1) を参照してください。
参照
delta(1), ed(1), get(1), sccshelp(1), prs(1), what(1), sccsfile(4),
acl(5)
標準準拠
admin: SVID2, SVID3, XPG2, XPG3, XPG4